こんにちは、スタイリストの吉川です。

台風の影響から先週から雨が続いていて、グッと冷え込んできましたね。

夏がようやく終わったと思ったら急に冬が近づいてきた感じです。

しばらくは雨が続くという予報です。

そんな雨の時期をすごすのに欠かせないアイテム。
傘について考えていきます。

傘は雨除けのものではなく権威の象徴だった

傘の歴史を遡ると、紀元前の古代アッシリアやペルシャ朝の壁画にすでに登場しています。

当時は雨除けというよりも野外における日除けという目的で生まれました。

傘は自らがさすものではなく、身分のある人が従者にさしてもらうもの。

つまり、そうした権力者の象徴でもあったのです。

傘が一般的になったのはいつ頃なのか?

雨傘として使われるようになったのは、18世紀の後半になってからのこと。

 

1750年にイギリスの旅行家、ジョナス・ハンウェーという男性が防水加工をした傘を差して街を歩いたのがはじめだそうです。

それまで、傘といえば女性のもので、男性は帽子で雨をしのぐのが普通の時代だったため初めは変わり者扱いされたとのこと。

いつの時代も先駆者は色眼鏡で見られてしまうものなのですね。

それでも30年!めげずに使い続けたことによって、次第に受け入れられていったそうです。

その後、カサの持ち手をステッキ同様にすることで、一気に男性の間でも傘が広まりました。

折りたたんだり、ステッキ状に持ち歩くこともできたので世界中に傘が広まるキッカケはイギリスからスタートしたとも言えます。

時には良い傘を使うのも気分が上がる

今は手ごろに手に入るコンビニ傘の使用率が圧倒的ではありますが、
雨の日も楽しむならば傘にこだわるのも一興。

そこで、テンションの上がる傘をご紹介します。

 

①フォックス・アンブレラ

トーマス・フォックスが、1868年にロンドンの金融街シティーで創業し、現在に至るまで150年近く続く傘ブランドの名門です。

当時の傘は、コットンやシルクに油を染み込ませた布を、クジラの骨で作ったフレームに張るという非常にかさばる代物でした。

そこに、英国空軍空挺(くうてい)部隊のパラシュート製作の経験を活かし軽くて耐久性に優れたナイロン地の傘を開発。

さらに今日の傘の世界標準となっているU字型のスチールフレームを考案しました。
軽くて細身の高性能な現代傘の先駆けとなったブランド。

価格も3万円前後と張りますが、スチールの耐久性。
巻いた時にスマートな細さにグッと収まる、その美しい佇まいは社会人になったらいつかは持ちたい、憧れの傘といえます。

②ホワイトローズ

徳川幕府の時代から続く、由緒ある傘問屋です。

昭和30年代に世界で初めてビニール傘を開発したパイオニア。

9代目須藤三男さんのもと、当時完全防水素材と確認・検証・評価されたビニールフィルムを大胆にも直接傘骨に張ってしまうという発想を形にされたのです。

傘は壊れるもの。だからこそ、すべて直して使えるように作る。
1年でも永く使える傘、それがホワイトローズさんこだわりの『エコ』製品です。

特許を取得された逆支弁機構でマンガのように傘がひっくり返るのを防ぐなど今では皇室の園遊会などでも使われるこだわりのビニール傘です。

 

世界の、そして日本の伝統ある傘で出かけてみるのも良いのでは?

雨の日には雨の日の楽しみ方を見つけてみましょう。