こんにちは、スタイリストの吉川です。

夏休みも終わりを迎え、そろそろ秋に向けてジャケットの準備も進めておきたい今日この頃。

理想のジャケットを見つけるには素材選びも大切なポイント。

そこでジャケットに使われる素材の色々を見ていきましょう。

まずはこの素材を知らなきゃ始まらない!
ウール=ヒツジについてです。

3000種類以上の中から最も選ばれているヒツジ

もっとも衣類の製品に重宝されているのが、メリノ種のウールになります。

スペイン原産の、ウールの中でも繊細で美しい毛を生産する毛羊種「スパニッシュ・メリノ」をルーツとしています。

長い年月をかけて品種改良が重ねられ、現在の高品質なメリノにまで育て上げられてきました。

特にオーストラリア・メリノは数あるヒツジのうちで、最も白く、細く、しなやかさを備えたウールとして世界中でとても重宝されています。

広大なオーストラリアの大地で育てられたヒツジは世界における羊毛生産の、実に4分の1を占める程です。

ウールの「スーパー表示」とは何か?

スーツを買う時に、
「この生地はSuper○○○なので着心地が良いですよ」
というような会話を耳にしたことがある方もいるかもしれません。

これがいわゆる「スーパー表示」と言われるもので、繊維の細さを示す単位のことです。

数字が大きければ大きい程、繊維は細くなり数字が小さければ小さい程、繊維は太くなっていきます。

中でもSuper 90’s~110’s位のものは18.5ミクロン程度の極細ウールで、「スーパーファインウール」と呼ばれています。

一般的なウールの約60%の細さで、高級な生地の指標となる素材です。

 

更に一段高級なウールとしてSuper 120’s~150’s位のものは、16.5ミクロン程となりカシミアに匹敵する細さになります。

より細くなると「ウルトラスーパーファイン」へとレベルアップしていくようになっています。

ジャケットやスーツの素材を選ぶ際の1つの指標になる表示として、覚えておいて損はないでしょう。

ウールは冬だけの素材ではない

ウールと言うと秋冬のイメージを持つ方も多いかもしれません。

しかし、本来は吸湿性と放湿性にとても優れていて空気の層が外気を遮断するという性質を持っています。

つまり、夏は内側の汗による湿気などを外に出し熱をカットすることによって涼しく快適に。

冬は湿気は外に出しながらも、熱をしっかりと内側に留めてくれることによって衣類内を温かく保ってくれる。

更には汚れにくく、燃えにくいという丈夫さも兼ねそなています。

まさにウールは万能素材と言えるものであり、ジャケットにおいては最も王道となる素材なのです。

まとめ

①ウール=ヒツジの毛。衣類用ではメリノ種が最も重宝される。
②スーパー表示は繊維の細さを示す単位。ひとつの参考程度に把握。
③ウールは1年中着れる、優れモノの素材である。

この秋はまず基本となるウール素材のジャケットを準備して、そこからバリエーションを広げてみてはいかがでしょうか。