こんにちはスタイリストの吉川です。

ファッションコンサルティングで相談依頼のTOP3に入るもの。

それは、

「色の使い方がわからない」
「色を上手に使えるようになりたい」

という内容になります。

実際にこれはプロでも相当気を遣う分野であり、お菓子や洗剤などの商品パッケージ、ホームページ制作など、ファッション以外の分野でも、相当な試行錯誤されてから世に出されています。

つまり、個人においても印象を大きく左右する、とても重要な要素であることは間違いありません。

私が20代でイメージコンサルタントの資格を取得するまでにたくさん勉強した経験から感じていることは、

「独学でマスターするには相当時間がかかる分野である」

ということです。

技術的な細かいところにいきなり着手しても、急な上達は望めません。

では、自分でも磨けることはないのか?

実は専門的なことを学ぶ前からでも出来ることはあります。
私はむしろ、この準備こそが非常に大切だと考えています。

今日は技術を学ぶために準備しておくべき下地作りについてお伝えしたいと思います。

色は心や身体にも影響を与える

色というものは、そのイメージが相手の判断に直結しやすい程、強い効果を発揮します。

例えば、全く同じ大きさ・同じ重さのダンボールを2つ用意します。
20人ほどの男性に両方とも1回ずつ持ち上げてもらい、どちらが重く感じたかを確認してみました。

すると19人が黒い方を重たいと感じたと言いました。
1人は同じくらいと当てていたのも面白かったですが。

弊社でおこなった実験で、もちろん個人差はあるので100人やったら数名は違う方も出てくるのでしょう。

とにかく高確率で重いと感じる人の方が多いのは事実です。

こうした色による人への心理的効果を、色彩心理といいます。

また、明るい赤は交換神経を刺激するため血圧を上げる、青や緑は鎮静効果やリラックス効果があるなど身体的にも影響を及ぼすことが検証がされています。

私たちが考えている以上に、心や体に影響を与えている事実。
まずこの事実を認識することが第一歩です。

色自体が似合うか否かより、〇〇が圧倒的に重要

次に、色そのものが似合うかどうかを判断するのはあくまでも技術レベルのお話です。

いかに技術を持っていても、その使い方が誤っていては技術に見合った十分な効果は期待できません。

逆に自分で技術を持っていなくても、使い方を知っていれば、技術を教わった時にしっかり活用できるのです。

似合う色自体を知ることも大切ですが、知っていても使いこなす基本を知らなくてはもったいないと言えるでしょう。

では、何を自分で意識して練習すればいいのか?

バランスを取る能力

この一言に集約されます。

 

上手な色使いを身に着ける第一歩とは?

それは「面積」から始まります。

まずは第一歩として、着用している服装全体を10とした時、全体に占める色の割合を考えるということです。

私は色面積と呼んでいます。

例えば上の写真、左の男性を見てください。
彼の服装を分析すると

濃いブルー7:茶色2:薄ブルー1

となります。

メインの鮮やかな濃いブルーを主役にシャツを薄いブルーにすることで、極端なメリハリをさけ8割がブルーでまとまるように計算されています。

クラッチバッグとシューズを茶色で合わせることでベーシック色を取り入れて適度な落ち着きを醸し出しています。

胸の飾り(ブートにエール)の赤は1未満なので、アクセントとして換算しても目立ちすぎることはなく、さりげないアクセントに変わります。

すると、「自分ではなかなか思い切れない色だけどオシャレだよな~」と他人から言われたり、イメージされる一歩差がついたコーディネートになるわけです。

今度は右の男性を見てください。
オレンジというのはとてもインパクトがありますよね?

華やかさはあるけれど、なぜかとてもオシャレに見えます。
「真似できないかも・・・」、と思わせる上級なコーディネートです。

オレンジ7:ネイビー3

色面積という観点から分析するとこうなります。

ジャケットとパンツという大部分をオレンジで占めた分、シャツ、靴、バッグ、ブートにエール、チーフなど随所をネイビー1色でまとめることで見事なバランスを取っています。

全体の統一感が取れていながら、大きなインパクトを与える。
まさに、「さすが、よく考えておられますよね!」という上級なコーディネートです。

いきなり真似することはオススメできません(笑)

 

実際の事例でいかに色面積のバランスが重要か。

おわかり頂けたのではないでしょうか?

自分の似合う色を知ることは、人生を豊かにしれくれます。
でも、その前にそれを上手に使える練習をしておくことはもっと大切です。
技術はあとからいくらでもついてきます。

まずは初めの1歩。
色面積のバランスを意識することからスタートしましょう!

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