ベスト付きのスリーピーススーツが注目を集める昨今。

なぜ、今スリーピースなのか?

それはベストを着ることによって、胸元に奥行きが出て、男らしくたくましい身体に見せることが出来るからです。

一口にベストと言っても、その種類は様々。

実際に、ファッションスタイリストジャパンで作製されているベストを通じて、その特徴とコーディネートイメージを見てみましょう。

①シングル衿なし型

オーダーメイドでも既製品のスリーピースでも見かける最もスタンダードで注文の多い形です。

襟がついていないから良い悪いということはなく、襟がついている方がかしこまった雰囲気になるため、よりフォーマル度が高くなると考えてください。

基本は6ツボタンの5ツ掛けでボタンを留めるのがスタンダードですが、デザインによっては5ツボタン5ツ掛けのスタイルも選択が可能です。

腰ポケットはフラップというフタが無しの方がフォーマル。
フタ付きの方がスポーティーなイメージになります。

これはフラップが雨からポケットを守るフタの役割をしているところから、室外で着ることを前提としたものになるからです。

②シングル衿付き型

襟なしベストのところで解説しましたが、フォーマル度がアップします。

襟には種類があり、写真のようなノッチドラペルを基本としてピークドラペルやショールカラーなどの種類があります。

襟がつくことによってきちんと感が増す仕様です。

こちらはノッチドラペルという最もスタンダードな衿付きベストの仕様になります。

2着目、3着目のスリーピースをお作りになる方からリクエストの多いベストです。

③ダブル襟なし型

よりクラシックな雰囲気に仕上がるのがダブルベストです。

シングルに比べるとスソが短くカットされているため、脚が長く見える効果もあります。

丈がショートになる分だけ、スッキリ見えるからです。

いくつもスリーピースを作って、シングルに飽きたという方にとても人気のあるモデルです。

襟がない分、そこまで堅い感じもないのでジャケットをオーダーされる際にご一緒にこのベストを作ることも多いです。

④ダブルピークドラペル型

ボリュームのあるピークドラペル、山型の尖った襟がつくことで力強く威厳のあるイメージに仕上がります。

胸元の立体感がより、強調される形です。

8ツボタンで裾はスクエアにカットされているため、脚長効果がありますがシングルよりも長めに作らないとベルトやシャツが見えてしまうこともあるので要注意です。

実は私が初めて実験で自分のものを仕立てた際に、そうなりました(苦笑)

せっかく大人っぽく見える雰囲気なので、丈が短くならないようにしましょう。

胸回りが薄くて、少しでもたくましく見せたい!という方にはピッタリです。

⑤ダブルショールカラー型

19世紀中頃に流行したタバコを吸う際のためにデザインされたスモーキングジャケットにルーツを持つショールカラー。

スモーキングジャケットは、後のタキシードの原型にもなりました。

同じ起源を持つ、丸みのあるエレガントな印象が特徴です。

美しい曲線美が描く、胸元の立体感に惚れ惚れするでしょう。

どれを選べばいい?
シングルベストの1番下のボタンはなぜ留めないの?

どのデザインを選ぶかは、好みで選びましょう。

私の個人的な見解ですと、まずはスタンダードな襟なしシングルから始めてベストを着ることに慣れていくことをオススメします。

そこから様々なデザインを揃えて、バリエーションを拡げるのがスタイル確立の王道と考えています。

また、シングルのベストを着用する際に、1番下のボタンを留めないのはなぜか?

諸説ありますが、有力なのはジョージ4世のうっかり説です。

元々はベストのスソは四角く、剣先というものは存在しませんでした。
そのため全てボタンを留めて着るのがマナーでした。

ところが、イギリスのジョージ4世がパーティーの際についうっかりボタンを留め忘れたままで出席してしまったのです。

本人は全く気付いていなかったのですが、これに気付いたのが当時の社交界で洒落者と名高いボウ・ブランメルです。

彼はジョージ4世に恥を欠かせないために機転を利かせ、自らも敢えてベストの1番下のボタンを外したのです。

上司にあたる方に指摘することなく実行した、このスマートなカバーリングは正にダンディ。

するとそれを見た他の人々が、

『洒落者のボウ・ブランメルが釦をはずしているのだから、きっと新しいスタイルに違いない!!』

と、こぞって真似をしたことから広まっていきいつの間にかルールとして定着したと言われています。

影響力のある人は、流行やルールを新たに生み出していくのは、過去も今も変わらないという面白いエピソードです。

中世に思いを馳せながら、ベストの着こなしを是非楽しんでみてくださいね。

 

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